後期中間考査について

 中学生の後期中間考査が終了しました。

 

 有隣塾の生徒たちはおおむね健闘しましたが、やはり中2の生徒たちは苦戦の傾向が目立ちました。

 

 中1は前期期末考査から比べると難易度が急上昇しています。各教科で平均点もかなり下がったようですが、塾の生徒は期末考査の点数を維持できました。

 

 とある中学では、中1の生徒に「ノート〇〇ページ」の宿題を課すのですが、あいもかわらず「ノートに隙間なく書かないと、罰として追加〇〇ページ」などという、前近代的な(1980年代?)「学習を管理の材料」にして、生徒たちから学習意欲を奪うだけの宿題をさせているようです。

 

 中1は方程式の文章題を学習するときは、問題文の内容をよく読んで立式をし、内容を深く理解するために図表なども作成しながら学ぶことが教科書やワークでも推奨されているのですが、「ノートを隙間なく埋める」式の学習では、これらの視覚からの学習がまったくできません。また、比例・反比例の学習でも、表や座標軸、グラフなどを書く練習が不可欠ですし、これから学ぶ図形、立体などでも、実際に図形をノートに書いてイメージをすることが大切です。ノートを隙間なく埋めるためには、結局は英単語の練習や漢字練習、ノートが早く埋まる簡単な計算などの「ほぼ」意味のない学習に終始することになり、本当の意味で理解が深まる学習はできません。国は「アクティブラーニング」を推奨し、「考える力」を重視した政策をとっているはずなのですが、学校教育の現場で行われていることは、経験主義に基づく生徒管理のための宿題でしかありません。「ノートに一か所でも隙間があったら罰として(!)〇〇ページ追加」などという学習のどこに「アクティブラーニング」があるのでしょうか。もしかしたら、私では理解できないほど深遠な目論見があるのかもしれませんが、「アクティブラーニング」が推奨される以前からやられているので、おそらくそんなものはないでしょう。

 

 ちなみに、こうした「罰則」式の学習をやめた学校ほど実力テストの平均点が上がっているのは皮肉なことです。「授業崩壊」「問題行動」などを「罰則」式で縛り付けることに賛否はあるでしょうが、本来楽しいはずの勉強や自主的な学習を「罰」の一種にしてしまうやり方には、まったく賛成できません。

 

 さて、話を中間考査に戻します。

 

 中2は例年、後期中間考査がもっとも苦戦する定期考査です。準備不足もさることながら、内容の高度化と学習の高度化のミスマッチが原因です。よく問題を分析すると、教科書レベルの問題が中心(定期考査なので当たり前ですが)です。しっかりと準備をしておけば大丈夫のはずです。

 

 中3はしっかりと後期中間を乗り越えました。残すは年明けの期末だけです。それが終われば、私立入試、公立入試です。

 

 ちなみに、現在は高校生の中間考査が実施されているところです。11月末までは定期テスト対策が続きます。